36歳で中国語を学び始め、通訳として活躍された長澤信子さんの著書「台所から北京が見える」を読みました。
私は48歳も終わろうかという時に中国語を学び始めました。
それよりははるかに若いんだけど、ある程度年を重ねてからなじみのない語学をどうやって身につけたのか興味があって読んだんだけど、学習面よりも、子どものいる主婦としての生き方に共感できる内容でした。
子育ては楽しいし、やりがいもある。
でも、いずれ終わりがくる。
そのときに自分になにがあるのか?何をすればいいのか?
長澤さんは25歳のとき、まだ子供が小さい時にすでに「子育て後をどうするか?」を考え始めていました。
そして10年間その思いをあたため、自分の時間が持てるようになったときに中国語を始めたんです。
子どもと同じくらい、それ以上に情熱をささげられるもの。
ホント必要。
「子どもがいるから何もできない」と思っている子育て真っ最中のママたち。
今から手が離れたら何をするか、考えておくと子育て後の人生が充実しそうですよ。
自分の時間 手に入れたら使い道がない?
子どもが生まれてしばらくはべったり一緒の生活が続きます。
ここ、しんどいんですよね。でも、やりがいはたっぷり。
そして子どもは成長していきます。
学校などで家にいない時間が増えて、その分、母親は自分の時間がもてるようになってきます。実際はPTAだのパートだので、好きなことができるのはわずかな時間なんですけどね。
私は一番下の三男が高校1年生。
まだ完全に手が離れたわけではないけれど、子育てはもう終盤。
同世代の友人たちも同じような状況で「さみしい」「つまらない」という声をよく聞きます。
あんなに「自分の時間が欲しい」っていっていたのに、いざ手に入れたら何をしていいかわからない。やることがない。
そういう母親は案外おおいのかもしれません。
幸い私はやりたいことが次々とみつかり、息子たちが離れていくのを嬉々として受け入れています。
親離れ 子離れ
長澤さんのお母さんは、すでに子供のいる男性に嫁ぎ、そして長澤さんを出産されたそうです。
自分の子どもにたして格別な思いもあったのでしょう。愛情をたっぷりと注いでもらった半面、長じるにつれてそれを重荷に感じることもあったと書かれています。
そしてご自分の経験から、離れていく子どもを見守れるように、子どもの重荷にならないようにしようと考えるようになったとのこと。
このあたり、自分の経験ともかさなり、とても共感できました。
うちの母は趣味もなく友人も少なく引きこもりがちで「家族」「家」にこだわる人で、子どもの時から今に至るまで、とても負担に感じているので。。。
子離れ、親離れ。
これがスムーズにいかないと親子関係はこじれます。
自立して自分の人生を歩んでいく子どもとよい関係を保つためにも、子育て以外に自分の柱となるものがあるって大事。
そしてそれはすぐに見つかるとは限らないので、アンテナを広げて長澤さんのように少しづつ準備しておくのがいいのかなって思います。
できることをできるときに
長澤さんは「自分にはこれがある」といえるものを持とう、と思ってから10年たって中国語を学び始めました。子どもが小さいうちはやはり、自分のことをする時間がなく主婦業を最優先されています。
そして上のお子さんが中学生になったタイミングで中国語の勉強を開始。
学習資金を工面するため看護学校にかよい准看護師の資格をとって働いたり、親の介護をしたり、と、いろいろありながら学習を続け、通訳として仕事をするまでになられています。
「やりたい」という気持ちを持ち続ける。
きっとこれが一番大事なことなんですよね。
状況によって少し回り道をしたり、中断したりということがあっても、「やりたい気持ち」があれば、できるタイミングを逃さず捕まえることができる。
「やりたい」って思ってなければ、できるタイミングがきても時間を持て余すだけで終わっちゃいますもんね。
できないときに焦らず夢をあたため続け、できる時を待つ。
さらっと書けちゃうけど、いざやるとすごく難しいことなんですけどね。
私も今はやりたくてもできないっていうことがいくつかあるんだけど、それらはあきらめるのではなく、できるタイミングを待とうと思います。
今できることをやりながらね。
長くなりましたが、「主婦なんてつまらない」「自分には何もない」と思っている人は読んでみると、自分を変えるヒントが見つかるかもしれませんよ。
そうそう、これが1985年に書かれた本ということにもびっくり。
女性が妻や母以外の自分の生き甲斐が欲しいと思うのはいつの時代も一緒なんですね。
語学学習のために読んだんだけど、女性の生き方の1つの道を示してくれるような内容で、読んでよかったです。
この本に巡り合わせてくれた中国語に感謝!!
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